地域政党自由を守る会 代表 上田 令子

令和5年度東京都一般会計6月補正予算他賛成。知事退職金に言及を

 本定例会は小池知事の思いつきやパフォーマンスに振り回されることなく、実に数年ぶりに手堅く終えることができました。令和5年度予算案は、5類以降後の都の対応方針に基づき平時の医療体制への円滑な移行促進や、感染拡大時に機動的に対応できる体制の確保を求めると同時に、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金等国庫支出金を活用し、都民生活と東京の経済を下支えするため物価高騰の悪影響を回避するための取り込みを強化するために2,219億円を計上したものです。

この3年間の知見を活かした過不足ない5類以降対応策、物価高対策の対象を無床の医療機関、薬局迄広げたことは高く評価するものです。一方、コロナ対策で施設面の補助を受けながらも、今を持ってもコロナ疑い患者の診察を拒否する開業医が散見されるにあたって、東京都、地元医師会等は強固な連携を図っての患者受け入れ態勢の完備を徹底することを強く指摘するものです。

また、その他、子供家庭庁設置に係る法改正に伴う都条例改正、老朽化更新など必要不可欠な工事請負契約議案、「低所得の子育て世帯に対する生活支援特別給付金(ひとり親世帯分)」の迅速な支給を実現する等専決処分は妥当な内容であったことから知事提案の全議案に賛成をしたものです。

一点、都知事の給与・報酬を半額とする特例条例継続については「東京大改革」の理念の下の継続と理解するものでありますが、知事は退職金についての言及は今日に至るまで一切していないことを忘れてなりません。

令和2年7月に2期目再選を果たした直後の821日、退職手当金34,944,000円を受領していたことを当時明らかにし、メディアなどでも大きく取り上げられ、上田も文書質問を重ねてきましたが今日に至るまで、自身の退職金についての「改革」は今日に至るまで言及していません。「全国最低給与」と選挙公報で標ぼうする知事の公約との整合性を今後も注視し質してまいります。

請願審査に異例の過半数会派が反対

都民の要望や意見、時には指摘・批判を都政事業に反映されるために請願・陳情制度があります。本定例会では上田が署名議員となった請願神宮外苑地区の再開発計画の審議に関する請願」「葛西臨海水族園における警官と自然環境の保全及び既存施設の利活用に関する請願」「平成30年私立高校2年生自死事案の再調査等を求めることに関する請願」3件が上程されました。

残念ながら、付託され環境建設委員会、文教委員会にて自民党・公明党・都民ファーストの会による数の力で否決となってしまいましたが、神宮外苑と葛西臨海水族園にかかる請願は7会派(自由を守る会他6会派)が、自死事案にかかる請願には6会派(当会の他5会派)が、否決の審査結果に対し、反対に回るという異例の事態となりました。

つまり都議会11会派中過半数の会派が、神宮外苑と葛西臨海水族園の樹木伐採に象徴される拝金主義的再開発・再整備と、都が再調査をしない私立高校における所謂「指導死」事案に疑義を抱いているということであり、極めて異例の事態といって過言ではありません。

これらの請願は、当初は上田単独の署名議員でありましたが、その後他会派も署名に加わるという、こちらは前向きな異例の事態も発生し、「ふるい議会」が、都民ファーストの会以外の会派によって「あたらしく」なってきたということは皮肉なものであります。

まとめ

SNS社会の功罪はあれども、情報がいち早く伝わり、知事のパフォーマンスや都庁の官報主義的報告よりも、都民があらゆる場面で情報を得て「真実」を知り判断ができる時代なってきました。

今般請願はいずれもネットニュースを中心に報道・拡散されたことから、各会派も都民の声を受けた行動をとったものと思料いたします。当会派は、和して同ぜずをモットーに、今後も都民益のため共闘できる部分は、超党派で力を合わせて参る所存です。