【はじめに】

地域政党自由を守る会は、今定例会に知事から提出されました、第5回一般会計補正予算外6議案に反対、その他の知事提出議案に賛成致しました。

12月8日、第1回定例会に続き一般質問(13分33問!)を緊急敢行、課題山積小池都政の「闇」を質しました。ところが、小池知事も宮坂副知事とも、再質問に及んでも答弁拒否を繰り返し、二元代表制を顧みぬ正副知事の不誠実な姿勢が改めて明らかになった本年を締めくる定例会となりました。

 

【補正予算に反対】

第206号議案「令和4年度東京都一般会計補正予算(第5号)」は、物価高から都民の暮らしを守るとともに、都の環境政策を新たなステージへと導くための歩みを加速させ、希望ある未来を切り開くため予算措置を行うものとされ、一般会計を1013億円増額するものです。かねてより知事鳴り物入り赤ちゃんファースト事業(東京都出産応援事業)等のカタログ配布は、中間手数料がかかり、特定の事業者・商品へ都民を誘導することから現金支給をすべきだと指摘をしておりました。ましてや、貧困とされる世帯へのお米券の配布事業(約300億円)は、中間マージン・配送料が莫大に支出されます。そのコスト分も含め対象都民へ現金給付とすべきであることから反対しました。国の「出産・子育て応援交付金」の詳細は未定とのことですが、こちらも強く現金支給を求めるものです。

また、人事委員会勧告により、職員給与等を増額改定するものであり、第213号議案「職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」とともに、物価高・コロナ禍に苦しむ多くの都民の収入との整合性を鑑み給与アップ議案となることから反対致しました。

一方、第269号議案「令和4年度東京都一般会計補正予算(第6号)」は、国の地域観光事業支援に係る国庫補助金について、交付限度額が決定したことに伴い、134億円を増額するもので賛成致しました。

第210号議案「個人情報の保護に関する法律施行条例」は、開示請求の手続等に係る規定を整備するもの、第211号議案「東京都個人情報保護審査会条例」は、保有個人情報の開示請求等に係る審査請求について調査審議させるため、東京都個人情報保護審査会を設置するもので、いずれも個人情報の保護に関する法律の一部改正等に伴い、条例を新設するもので、DX化に伴う個人情報保護の体制強化を求める観点から、賛成致しました。

 

【“屋根の上のジェノサイド”太陽光パネル義務化条例に反対】

第221号議案「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例」は、脱炭素社会の実現に向けた実効性ある取組の強化を図るため、住宅等の一定の中小新築建物に係る環境性能の確保を求める制度を創設するほか、所要の改正を行うものです。新築物件の屋根に太陽光パネルの設置を義務付けるものであり、令和6年4月以降、順次施行されることになります。

しかし、パブリックコメントでも異例の4割もの反対意見が寄せられているように、今や太陽光発電には問題が山積しています。太陽光パネル等の設置義務化にあたっては、主に、人権、経済、防災の観点から以下の問題が挙げられます。

1 中国政府によるジェノサイド・人権弾圧への加担を都民・事業者へ義務付けることにならないか。

2 故障、周辺機器、撤去コストが積算されていない等都民負担が巨額に上るのではないか。

3 水害時に、感電・火災等人命が失われるのではないか。

4 廃棄・リサイクル体制が確立していない。

5 都民には憲法で保障された財産権もと設置の拒否権があるというのに周知されてない。

太陽光パネル設置を義務付けることで、国民・都民全般にどの程度の巨額の負担がかかるのか、私の一般質問では誠実な答弁が得られず、懸念が全く解消されないため、自由民主党東京都議団とともに反対致しました。残念ながら、小池知事と都民ファーストの会、環境左派会派によって、新築住宅にパネル設置を義務化する条例“改悪”が強行され可決されてしまいましたが、引き続き「太陽光パネル設置義務化の不都合な事実」を都民に伝え設置拒否権を行使してもらうと同時に、条例見直しに邁進してまいります。

 

【葛西臨海水族園整備事業に反対】

第230号議案は、葛西臨海水族園仮称整備等事業の実施に当たり、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の規定に基づき、事業契約を締結するものです。

徳川時代からの資産を明治政府が奪取し、民間払い下げの名のもと新興財閥を潤したことは史実です。知事も敬愛してやまぬ渋沢栄一もその一端を担い、結果多くの江戸の街並みや文化が喪われました。

本計画は官民の長所を生かしたPFIの本質から逸脱したものであり、公的資産の「令和の払い下げ」に値する蛮行であり完全撤退を求めるものです。都民・江戸川区の貴重な近代建築文化財、記憶財産であり、水辺の環境を守る観点からも反対致しました。

 

【委員外議員の決算審査への参加について】

都議会は長年、前年度決算を審査する各会計決算特別委員会と公営企業会計決算特別委員会への一人会派の参加を認めてきませんでした。現在、一人会派が4つありますが、この4名の都議は、複数会派を組むか加入しない限り、任期中、一度も予算も決算も審査に関わることができません。このような運用がされている都道府県議会は、全国で都議会のみです。

そこで、上田は3年間続けて委員外議員の発言手続きにより、決算審査での質疑の機会を求めましたが、多数会派により拒まれました。

ただ、今期は他の一人会派からも質疑を求める動きがあり、それを認めようとする会派がありました。一歩前進と心強く受け止め、引き続き、来たる来年度予算審査に多様な都民の少数意見を吹き込むべく、取り組みを進めてまいります。

 

【都民の最大限の利益と自由をめざす政策の実行を】

去る11月27日執行の小金井市議会議員補欠選挙では、本会政策幹事で脳性麻痺による四肢・発音障がいを持つ高木章成が当選し、所属議員は7名となりました。このような重度の障がいを持つ自治体議員は、都内では珍しい特異な存在です。

東京大改革の変質が改められ、小池都政による恣意的・猟官的人事を強く戒め、全庁職員が士気高く生き生きと働き、都民に効果的・効率的に還元され、全都民の心身と経済の健康・福祉・自由が増進されることを願い、代表上田令子以下、地域政党自由を守る会は令和5年も邁進してまいる所存です。

以上