地域政党自由を守る会 上田令子

私、上田令子は、地域政党自由を守る会を代表して、知事提出議案第178号議案から第266号議案及び、議員提出議案第7号に賛成、知事提出議案177号議案及び議員提出議案第8号に反対の立場から実に6年ぶりに討論を致しました。

先の定例会では小池都政2期8年が問われるべきところでありましたが、「7つのゼロ」達成ゼロ、学歴詐称疑惑、神宮外苑再開発、都民の関心の高い重要課題についての鋭い指摘には一切小池知事は答えませんでした。第一回定例会時の上田一般質問にも「答弁ゼロ」だったことから自由を守る会は「東京都議会本会議における不適切答弁に関する請願」を提出もしていたところでしたが、さらに知事の態度が悪化していることに呆れ果て、オリパラ直前3年前同様小池百合子東京都知事不信任決議案を提出致しました。

前回の不信任決議案はオリパラに反対していた会派ですらも賛同に回って頂けず私だけが小池都政にNOを突きつけ否決されました。また、卒業書類を求める決議案は当初自民・共産・自由を守る会で提出予定でしたが、忘れもしない2020年6月8日突如として在日エジプト大使館FACEBOOKページにて、なぜか日本の首都の知事の学歴を証明する“声明文”が、なぜか日本語と英語だけ、肝心のアラビア語もなく公表されたことからか、結局私一人で不提出するに至ったことも申し添えます。

そして、今般も小池都政8年を総括する活発な批判の質問が複数会派から出たにも関わらず、残念ながら上田一人が賛成、全会派が反対に回りました。その後の東京都知事選挙において、小池知事は再選を果たされましたが、018サポート、おこめクーポン、1万円商品券支給、私学無償化と選挙直前のバラマキとのそしりも受けかねぬ施策を矢継ぎ早に打ち出すも2位3位主力候補を合算すれば350万票と小池知事票よりも多く、前回366万票全体の32%から大きく票を減らし200万票台同25%にとどまるに至りました。

同日都議補選においては自由を守る会さんのへあやが国政政党・労働組合・既得権益団体から一切の支援もなく当選を果たし、都議会史上類のない完全無所属・民間出身、女性で母親の二人会派が誕生するに至りました。江東区民の良識の勝利であり、組織に依存しなくても1名枠で当選する結果を出し、多くの無所属・地域政党で地道に取り組む非国政政党議員と地域住民に大きな勇気と希望と可能性を与えるものとなりました。

江東区政においては、一昨年に元議長によるあっせん収賄事件発覚、昨年4月、江東区長選で当選した木村弥生氏が公職選挙法違反により当選取消で有罪、それを示唆したとされる柿沢未途前衆議院議員は買収容疑で逮捕と都民の政治不信を著しく傷つける事件が繰り返され有権者の鉄槌が下ったものと受け止めております。

事務費20億!?本末転倒の景気対策に反対

まず、第177号議案一般会計補正予算です。物価高騰対策等喫緊の課題対応のため編成されました。学校給食費の市町村負担、保育所、福祉医療施設、公衆浴場支援については高く評価をするものの、予算額150億円、QRコード決済ポイント還元「もっと暮らし向き向上緊急サポート事業」については承服いたしかねます。前回は、これも知事選直前3月に鳴り物入りで実施しましたが、僅か12日間で終了し、直多くの都民から私のところへ苦情が寄せられ、協力頂いた事業者からも落胆の声が届きました。都民の税金ですから都民最優先に寄与すべきですが、都民以外も利用できてしまうこと、QR決済ができない都民、参加ができない商店との不公平も指摘されており、知事の言う「景気の刺激になるし、何より都民の生活を守ることにつながって」いるとは到底思えません。前回は、約9億円を事務費としてJTBコミュニケーションデザインが受託、今回は約11億円を予算計上しているということで総額250億円のうち事務費が合計20億円!本来の目的は消費の喚起であるはずが、20億円使った民間に任せればよいQRコード決済推進ありきの手段の目的化と考え、また前回100億円で今回1.5倍になっても20日間程度で終了するのではないかと思料し本補正予算の半分近い予算額であることからも反対しました。

今こそ“国に先駆けて”児童手当の拡充を!

次に、議員提出議案第7号児童育成手当に関する条例改正案です。自由を守る会は児童に関わる手当に関しての所得制限撤廃を2022年1月に国会請願し所得制限撤廃の機運醸成をけん引してまいりました。子供の育成に係る手当に関する所得制限の撤廃及び情勢にあった手当金額の見直しは喫緊の課題です。

例えば、重度障害児を育成する世帯が受け取れる金額は、国には特別扶養手当(1級55,350円)、障害児福祉手当(14,600円)、都の制度では重度心身障害者手当(60,000円)、児童育成手当(15,690円)がありますが、所得制限があり、所得制限世帯では月14万円も手当てに差が出ることになるからです。また、国制度の特別児童扶養手当及び障害児福祉手当の所得制限基準はおおよそ所得900万、都独自の重度心身障害者手当及び児童育成手当の所得制限基準はおおよそ所得400万となっており、全国比で所得の高い世帯が多く住む東京都において、都独自の手当は支払う対象が限られているとことも指摘しておきます。

小池知事は、これまで担当部局も不知のまま昨年正月早々後の018サポートとなる、子育世帯月額5千円支給を突如発表しました。であれば、今こそ、国に先駆けて児童育成手当の所得制限撤廃並びに格差解消の為の金額を引き上げるべきではないでしょうか?!かようなことから、本議員提出議案に強く賛同するものであります。

新エネ利権を助長する環境政策に警鐘を鳴らす!選任&任命同意にはNO!

一方議員提出議案第8号気候都民会議条例においては、脱炭素・ゼロエミのみが気候変動にかかる影響を軽減するのか自由を守る会は慎重に検討をかさね、太陽光パネル義務化においても当初から反対をしてまいりました。一昨日投資ファンド元代表が数千万円不正支出し、東京地検が捜査に入っていることが報道されています。運営会社は太陽光パネル投資を手がけるIDIIで、都も官民連携ファンドで15億投資しており毀損せぬよう厳しく指摘し続け8月に清算したばかりのこのタイミングに環境政策に名を借りた新エネ利権への懸念をしておりますことから、提案議員のご尽力に敬意を表しつつも、新たな利権助長を進めまいか思料し反対する次第です。他の知事提案議案についてですがカスハラ条例については、拙速さは指摘しますが現場の需要を優先すべきと判断し、また主に法改正に伴う条例改正、及び適正な買い入れ等であることから賛成した次第です。

都知事の選任同意・任命同意についてです。松本環境局長、坂本政策局長はこの4月に着任したばかりです。私は三期目ですが、小池知事以前は副知事がこのようにコロコロ替わることもなく、議会最終日直前に上がってくることもありませんでした。まず、手続き上都民と議会軽視であること、局長が二人欠員となれば補足人員を検討せざるを得ず、このような安易で拙速な人事は都政運営に悪影響を及ぼすこと、神宮外苑、都立公園等環境アセスが問題視されているなか環境局長が半年経たずに交代することは全く賛同できないこと、坂本政策企画局長は産業労働局で実績を重ねられたのですから、産労を所管する副知事ならまだしも、畑違いの教育長に就く理由がサッパリ理解できませんことから、任命同意には両者共々反対いたします。また、監査委員については議員選出員では、客観的かつ公正公平公明な監査は到底不可能と考え反対致します。今後の条例改正も求めておきます。

正式会派となった自由を守る会にご期待下さい

本年一般質問で小池知事学歴問題を質す冒頭、私は「噓つきは泥棒の始まりと、私は父に厳しく言われ育った」と切り出しました。当時20歳そこそこの野心家の女の子が発した「カイロ大首席卒業」という一世一代の経歴標ぼう。それがここまで権力の階段を上らせ、日本のみならずエジプトまで巻き込む学歴詐称疑惑国際問題に発展し、刑事告発にまで至っております。学歴問題では痛いところを突かれ、答弁から逃げ回る姿は滑稽極まりなく憐れですらありました。かように小池知事2期目の答弁拒否は目に余るものであり、SNSでも大々的に拡散され批判も集まっていたことから、改選後は誠意をもってすべての会派に答弁されることを期待しておりました。

今般自由を守る会さんのへあやは、初めての一般質問を臨月で挑みましたが、公選法の理念、ペーパーレス推進に矛盾する、再選就任あいさつ状の是非についての知事質問には知事はお答えにならなったことについては、3期目になり更に都民・都議会を軽視しても意にも介さないことは都民ファーストから都民軽視に変容し、東京大改革の理念は失われたと、厳しく指摘させて頂きます。最後に、都知事選都議補選を振り返り既存政治に飽き飽きとした無党派層がSNS等ネットメディアで投票行動を起こした地殻変動は、これまで我々が提唱してきた「地方政治には国政政局も利権も不要!」の証左となるものでますます加速すれこそ元に戻ることはないと確信し、地域政党自由を守る会は引き続きまして二人会派となり力を合わせて都民ファーストではできなかった「ふるい議会を新しく」風穴を開けてまいる所存です。