はじめに

 2024(令和6)年が明けて、1か月が過ぎました。本年11月21日には、地域政党「自由を守る会」は結党10年を迎えます。

 本年は明けて早々、元日の夕方に能登半島地震(令和6年能登半島地震)が発生しました。石川県輪島市と羽咋郡志賀町で震度7を観測したほか、北海道から福岡県まで有感地震を引き起こしました。

 この震災による死者は240名(災害関連死を含む)、安否不明者は少なくとも12名とされています。避難者は最大時に8万人を超え、現在でも4万人以上が避難生活を送っています。犠牲になられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、被害に遭われたみなさまにお見舞いを申し上げます。

 東京都内では震度3、長周波地震動を観測しました。緊急地震速報が繰り返し流れ、正月特番は報道特番に切り替わり、御屠蘇気分から一転、不安な夜を過ごしました。

 さらに、翌2日、羽田空港で被災地に救援物資を輸送するため離陸しようとしていた海上保安庁の航空機に、着陸してきた日本航空機が衝突する事故が発生しました。日本航空機は全焼したものの乗員乗客379名全員が脱出に成功し、軽傷者16名に止めることができました。一方、海上保安庁機では、乗員6名中5名が殉職することになりました。殉職された海上保安官にも深く哀悼の意を表するとともに、負傷されたみなさまの一日も早い回復を願って止みません。この事故では、管制官と海上保安庁機側の連絡ミスによるヒューマンエラーが指摘されています。避難ができていなければ航空機事故史上、未曽有の大惨事になっていたかも知れません。早期の原因解明と再発防止策の確立を求めるものです。

本年は「昭和99年」

 現在、能登地方を中心に断水している世帯は約4万軒あります。1か月を経ても、道路・鉄道・港湾・空港などの物流インフラ、上下水道・電気・ガスなどの生活インフラ、放送・通信などの情報インフラは寸断されたままの所が、奥能登地区を中心に数多くみられます。ライフラインの復旧に国・自治体・事業者が総力を挙げて取り組んでおられることに敬意を表するものですが、完全復旧には多くの時間と労力が費やされることになります。

 特に、物流インフラについては、地殻変動・液状化・土砂崩れによる道路網の損壊により、災害ボランティアの受け入れどころか、自衛隊による物資の搬入さえ、困難にしています。また、情報インフラについては、基地局が復旧せずに携帯端末が使えないエリアが残されているほか、中継局の損壊によりテレビが視られないエリアがあり、NHKは停波予定のBS波で総合テレビの石川計向けの放送内容を流す措置を被災者の求めにより実施しています。

 本年は、1925年に元号が「昭和」に改元されてから、99年になります。昭和のアジア太平洋戦争と敗戦、高度成長を経て、日本全国で各種インフラが整備され、私たちはその恩恵を享受してきましたが、平成以降、繰り返される大震災は、数十秒間の揺れでそのインフラを破壊し尽くします。

 その影響の大きさが如実に現れているのが、過疎化・高齢化が進む現在の能登半島ではないでしょうか。インフラ全般が、昭和初期に約1世紀、タイムスリップしてしまったのです。

 一方、東京においては、能登半島地震の直接の大きな影響を受けずに各種インフラに支えられた現代的な生活を送れています。ところが、ヒューマンエラーが原因と云われている羽田空港での事故は未曽有の航空事故となり兼ねず、各種インフラに支えられた現代的な生活の危うさを示しているのではないでしょうか。タイムスリップしてしまった能登へ現代の首都東京から救援に向かう過程で起きた事故とも云えるのではないか、と問題提起いたします。

本年も「選挙の年」!

 本年は、世界的に「選挙の年」と云われています(英・エコノミスト誌など)。1月13日投開票だった台湾(中華民国)総統選を皮切りに、エルサルバドル大統領選(2月)、インドネシア大統領選(2月)、ロシア大統領選(3月)、インド総選挙(4月~5月)、欧州議会選(6月)、アメリカ大統領選(11月)などがあり、結果によっては国際政治にも影響を及ぼすことが予想されています。この内、選挙が実施された台湾総統選では、与党・民主進歩党(民進党)候補の頼清徳候補が当選しました。蔡英文・現総統の対中強硬路線の継承を訴え、最大野党・国民党の侯友宜・新北市長や第3政党「台湾民衆党」の柯文哲・党主席を破り、民進党が民主化後、初めて3期連続で政権を獲得しました。一方、同時に行われた立法院選挙ではいずれの政党も過半数を獲得しておらず、5月から任期が始まる頼総統の政権運営に影響しそうです。

 日本国内では、現時点で4月28日投票で衆議院の3つの選挙区の補欠選挙が予定されているほか、7月7日投開票で東京都知事選挙の実施が決まっています。また、熊本県知事選(3月)、沖縄県議選(6月)、鹿児島県知事選(7月)、富山県知事選選(11月)、岡山県選(11月)、栃木県知事選(11月)などが予定されています。

 日本共産党は、この1月に委員長が23年振りに交代しました。自由民主党は9月に総裁選を予定しています。総裁選やパーティー券「裏金」問題も絡み、衆議院議員の任期が半分を超えていることから、政治状況により、年内いつでも解散総選挙が行われてもおかしくない、と見られています。

「自由を守る会」はどうするのか。

 昨年は、みなさまのご支援により、4月の統一地方選挙では、現職全員が得票を伸ばして当選することができました。墨田区議選では複数議席の獲得には至りませんでしたが、支持を拡大して、議席を守ることができました。

 12月には、インターネット有料広告をめぐる公職選挙法違反事件に絡み4月に初当選したばかりの木村弥生前区長の辞職に伴う区長選にさんのへあやを擁立し、本会単独推薦であったにもかかわらず、30,132票を獲得し、国政政党相乗りの2候補と互角以上の戦いを展開し、全国に報道されました。その後、買収容疑で木村前区長は在宅起訴、買収を主導したとされる柿澤未途被告は元秘書とともに起訴され、衆院議員を辞職しました。

 本年は、江東区では柿澤被告辞職に伴う衆院補選が4月28日に、欠員補充のための都議補選が都知事選と同日の7月7日に実施されます。本会は、区長選でのさんのへへのご支持にお応えすべく、積極的な取り組みを進めており、さんのへを都議補選の推薦候補として擁立するとともに、原田道信を江東区地域政策委員として、戦列に加えました。

 また、7月7日実施の都知事選では、公約違反を積み重ね、コロナ禍においてパフォーマンスのみで無策により都民の生命・健康を危機にさらし続けている小池百合子知事の3選阻止に向け、良心ある都民のみなさまとともに、議会内外での活動を全力で取り組んでまいります。
 また、地域政党サミットに参加する仲間とともに、活動を進めております。1月21日には湯河原町におきまして、地域政党サミットを開催し、地元の湯河原のみならず関東そして全国からの参加を得ることができました。湯河原町においては、3月24日に町議選が実施されます。姉妹政党である「地域政党ゆがわら」は複数議席の獲得を目指して、候補者を擁立しています。総力を挙げて支援し、全員当選を実現させます。

 11月21日には、本会は結党10周年を迎えます。結党宣言には、「本会は、自由主義、民主主義、市場主義、地域主義、個人主義を基調とした、自由・自主・自律の精神のもと、国民の選択の自由、政府からの自由、内心の自由を守り、人々がのびのびと個性を活かすことのできる社会の実現を目指す、自立した国民が結集して組織する地域政党です。」と高らかに掲げております。この10年間、様々な艱難辛苦があり、解党を強要されたことはありましたが、この理念を共有する仲間たちと地域を基本に活動を進め、政策で成果を獲得してきました。各種世論調査によれば、岸田文雄内閣の支持率は低迷する一方、国政野党の支持率に上昇する兆しは見えません。地道な議会活動と地域活動を通じて、国政与野党が受け止めていない市政の声を政治に届けていくのが、地域政党たる自由を守る会の本分と、意を強くしております。

 さらに、来年3月の小金井市議選では、渡辺大三幹事長と高木章成政策担当幹事が改選を迎えます。7月の東京都議選では、上田令子代表が改選を迎えます。本年は島嶼部を除き自治体議員選は予定されておりませんが、来年の来るべき戦いにも抜かりなく準備を進めております。
 結党10周年となる本年が、本会にとって飛躍への年となるよう、変わらぬ暖かいご支持、ご支援をお願い申し上げます。