第6波のさなかに始まった、東京都議会第1回定例会が先週金曜日に終了いたしました。
自由を守る会 代表上田の態度表明を含めてご報告いたします。
令和4年度予算には反対
本予算は、前年度対比5.1%増の15兆3,979億円、一般会計歳出総額7兆8,010億円とまたしても過去最大の大型予算となりました。
せっかく税収が、約5,900億円増加し、5兆6,308億円と令和元年度に次ぐ3年ぶりに11.6%プラスとなったわけですから、DX推進、国際金融都市、サステナブルリカバリー…聞こえがいいものの効果不明の新規事業568件合計1,923億円を次々と展開するよりも、福祉・教育など現状施策の都民益に適う運用を徹底し、コロナ禍が益々深刻化し経営難や生活困窮に苦しむ都民の命、心身と経済の健康に振り向けるべきです。
課題山積の小池都政に疑義を呈し、私は昨年、都議選に先立ち、度重なる不誠実答弁、奇をてらった数々の思い付きともとられかねぬ独断無策のコロナ対策で都民の命を危険にさらし、職員を疲弊させことを理由に、都議会史上三度目の知事不信任案を提出いたしました。小池知事は、予算編成にあたり、自己正当化と言い訳を覆い隠すような空虚な美辞麗句を並べ立てるのではなく、説明責任を果たせないのであれは、その職にとどまるべきではないことを今一度申し述べ令和4年度予算には反対するものです。
組織改正・職員定数について
第36号議案「東京都組織条例の一部を改正する条例」外2件は、都民文化、都民生活、青少年及びスポーツに関する事業を総合的に推進するため生活文化スポーツ局を設置するものなどです。
また、第37号議案「東京都職員定数条例の一部を改正する条例」外2件は、令和4年度の各局の職員定数を定めるものです。
私は初当選以来、16万人余りに上る都庁組織のスリム化、効率化、能率化と総人件費の削減を求めてまいりました。毎年度の予算編成にあたっては、「マイナス要望」を繰り返しております。ところが、歴代3代の知事は、これを顧みることなく、溢れんばかりのぜい肉で肥大化した都庁組織を改めようとはしてきませんでした。
私は、大会以前から地方公務員法の分限の活用を含めたスリム化を求め、組織再編の方向性や具体策を問うてきましたが、全くのなしのつぶてでした。
ところが、本定例会直前になり、組織委員会からの復帰職員の人数見込みや時期は確定しないまま第36号、37号議案が明らかになったのです。この点は誠に遺憾でありますが、昨年、オリンピック・パラリンピック東京大会が終了し、組織の在り方を正す好機であり、負のレガシーも含め建設的な大会の検証を進めることを期待し賛成はいたしました。今後も肥大化した都庁組織に抜本的なメスを入れないまま、職員組織の温存・永続をしまいか定点観測を続けてまいります。
都立病院の地方独立行政法人化について
自治体病院というものは、中・低所得の住民に安価に医療を提供することを目的として設立されてきた歴史があります。知恵をお金を出し合い、地域や職場というつながりで、万一病気になったときに低負担で医療サービスを受ける相互の信用と社会連帯を基盤とし、貧しい人にも医療を提供することを目指し、平等を意識した世界に類を見ない日本の医療制度の礎です。
コロナ化のただ中、小池都政のパフォーマンスのためにこの礎を壊されてはなりません。コロナ対策と通常医療に今は専念すべきであり、拙速な独立法人化に疑義を唱え断固として反対をいたしました。
名ばかりの“チルドレンファースト”を質した一般質問
今回の私の要の質問は墨田工業高校で起こった、水泳授業で水位が満たないプールにデッキブラシを持ち出し、飛び越えさせる危険な飛び込みを体育教師が強要し、高3男子生徒に頸椎損傷で重度障害を負わせた事故でした。
▲現在の内川起龍さん(ご本人提供)
私は事故直後の2016年第3回定例会一般質問以来この「学校人災」を質しつづけ、当日は教師の思い付きで突如水泳授業となったことをつきとめ、プールが浅かった謎を解き、学校管理者に責任があることを明らかにいたしました。
社会問題に発展した2012年大阪市立桜宮高校バスケ部員体罰自殺事件では、橋下徹大阪市長(当時)は、体罰教員へ損害賠償の半額を負担させる請求をしました。前途ある若者を育むはずの学校現場で、よりによって教師によって将来も、夢も、健康も奪われたことは風化も看過もさせてはならないはずです。求償権を持つ小池知事へ同様の対応を求めましたが、答弁から逃げ教育長に答えさせる不誠実な対応に終始いたしました。「総合教育会議」も今年度は開催しておらず、知事が度々口にする「チルドレンファースト」がいかに空々しいものか、いかに子どもに関心がないのかお分かりいただけたと思います。
委員外議員の予算特別委員会への参加について
都議会は長年、当初予算を審査する予算特別委員会(予特委)への一人会派の参加を認めてきませんでした。新任期にあたり、一人会派が5つとなったことから、この問題が顕在化しております。
この5名の都議は、複数会派を組むか加入しない限り、任期中、一度も予特委員になることができません。このような運用がされている都道府県議会は、全国で都議会のみです。
そこで、上田は3年間続けて委員外議員の発言手続きにより、予特委質疑の機会を求めましたが、今定例会中、3たびにわたり多数会派により拒まれました。
ただ、今期は他の一人会派からも質疑を求める動きがあり、それを認めようとする会派がありました。一歩前進と心強く受け止め、引き続き、予算審査に多様な都民の少数意見を吹き込むべく、取り組みを進めてまいります。
拙速かつ官房系人材登用教育長人事案には反対
教育は、コロナ禍の子どもを守る重要政策にもかかわらず、会期末も迫った時期に当時提案されたことに関してあまりにも杜撰かつ、子どもの人権を軽んじているのではないでしょうか?
そもそも教育長が、鈴木都政以降、教育畑からの起用は一切なく、今回も現水道局長からの横滑り人事で、官房系出身の幹部経験者の天下りへの「いっちょアガリ指定席」に成り下がっていることが諸悪の根源なことからも反対致しました。
都民の最大限の利益をめざす予算の実行を
東京大改革の変質が改められ、新年度予算の実効性が一層高められ、小池都政による恣意的・猟官的人事を強く戒め、全庁職員が士気高く生き生きと働き、都民に効果的・効率的に還元され、全都民の心身と経済の健康・福祉が増進されることを願い、地域政党自由を守る会は令和4年度も邁進してまいる所存です。
以上